呉市移住定住ポータルサイト
移住者インタビュー

半世紀近く愛された祖父の店を引き継ぎ、広の人々と温かな関係を築いていく。

ホワイトハウス 代表
松原 満里愛さん

2024年 三次市三良坂町⇒呉市広
Iターン 広島県三次市出身
ホワイトハウス 代表
家族2人(祖母)

interview:2025.10.30

1978年に呉市広で創業し、店主の急逝によって45年の歴史に幕を閉じたカレーとコーヒーの店『ホワイトハウス』。店主の孫・松原満里愛さんは19歳という若さで、「広のシンボル」として地域で長年親しまれたこの店を再開しました。

祖父の店を引き継ぐために里山のまち・三次市三良坂町から海沿いのまち・広へと移住した彼女。「幼い頃から遊びに来ていた広はコンパクトで住みやすく、地域の方々も優しいので安心して生活できる」と話します。

広に移住した経緯を教えてください。

私が生まれ育ったのは、広島県北部にある里山のまち・三次市三良坂町です。両親はこのまちで自然放牧の酪農とチーズ工房を経営しており、私もチーズづくりを手伝っていました。

広に移住したのは、祖父のお店を引き継ぐためです。私の祖父はこのまちで45年間『ホワイトハウス』という自家製カレーと自家焙煎コーヒーの店を営んでいましたが、2022年に急逝し、店も閉業せざるを得なくなってしまったんです。

幼い頃から連休や夏休みのたびに遊びに来ては、祖父が作ったカレーを食べるのが楽しみでした。お店の中や庭で遊んだり、近所の『イオン』に連れて行ってもらったり…。広と『ホワイトハウス』は、私にとっても祖父との思い出が詰まった大切な場所なんです。

高校卒業を控えていたころ、父から「『ホワイトハウス』を引き継がないか」と言われたんです。私は高校を卒業したらアメリカに留学する予定で、その準備を進めていました。父の提案には驚きましたが、「祖父がこだわっていた味や空間がなくなってしまうのは寂しい」という気持ちが自分の中にもありました。

常連の方々からも「誰か引き継いで再開してほしい」という声がたくさん届いていると聞き、留学準備期間で時間もあったことから、「私がおじいちゃんのお店を復活させよう!」と決意。古くなった水回りや空調設備、初期運転資金については、クラウドファンディングで集まった寄付金を使いました。

お店の準備のために2024年夏に三良坂から広へ移住し、9月に再オープンしました。

実際に暮らしてみて、呉市や広に対する印象は?

三良坂は豊かな山に囲まれたのどかなまちなので、商業施設や病院、駅などがコンパクトに集まっている広は「都会だ!」と感じます(笑)。それから、地元の人にとっては当たり前なのかもしれないけれど、いつも海がそばにあることも私にとっては新鮮で。海に沈む夕陽が本当にきれいなんです。

呉市は活気にあふれていて、個性的な人が多いと感じます。お祭りを全力でやる熱さも呉ならでは。飲食業も、ご当地グルメ「呉冷麺」のお店やジンギスカン鍋で有名な『関白』など、他の地域にはない面白い店舗がたくさんあって、「それぞれにやりたいことをやる!」という雰囲気に刺激を受けています。

地域の方々とはどんな関わりがありますか?

『ホワイトハウス』の復活には、地元の方々がたくさんの力を貸してくださいました。再開準備中にもいろんな人が訪れては「こういう思い出があるんよ」と教えてくださり、本当に地域で愛されていたお店なんだと感じました。残されたレシピや動画を見ながら何度カレーを作っても祖父の味になかなかたどり着けず困り果てていたとき、両親や祖母だけでなく常連さんにも試食してもらったおかげで、理想の味を完成させることができました。

祖父のカレーを使ったカレーパンや、両親が牧草のみで育てた「グラスフェッド牛」入りのビーフカレー、飴色のテーブルや椅子が並ぶ空間によく合うクリームソーダなど、新メニューも加えて9月に再オープン。常連さんたちの「また再開してくれてありがとう」「ここのカレーがいちばん好きなんよ」「おじいちゃんの味、再現できとるよ」という言葉にとても励まされました。

「復活すると聞いて、30年ぶりに来たんです」という方や、新しいメニューやレトロな雰囲気を目当てに訪れる若い方々など、たくさんのお客さまにご来店いただいています。メディアの効果で広島市内をはじめ関西や関東、東北など遠方から足を運んでくださる方もいて、『ホワイトハウス』を通じて私も呉・広の活気づくりに加わっていけたらと思います。

チーズ工房『三良坂フロマージュ』を20年以上営む両親の姿を見てきたので分かっているつもりでしたが、飲食店の経営は、ただ「祖父のカレーを食べてほしい」という気持ちだけでは成り立たないことを実感しています。それでもお客さまに恵まれ、地域の方々に応援していただけているのは、祖父が長年築いてきたつながりと信頼のおかげです。「天国の祖父に喜んでほしい」という思いで引き継いだけれど、むしろ私が祖父に助けてもらっていると感じます。

どうすればもっと良いお店にできるかを考えて行動したことが上手くいくと、モチベーションにつながります。
大変なことも多いですが、10代で「お店を営む」という経験ができることに感謝しています。これをきっかけに、自分自身も成長していきたいです。

広での暮らしはいかがですか?

現在は祖母と二人で暮らしています。広にはスーパーやドラッグストアが何軒もあり、目的に合わせて選べるのが便利です。混雑しすぎていないので、買い物しやすいところも気に入っています。

移動手段は基本的に車ですが、広は坂道も少なく、いろんなお店や施設がまとまっているので、自転車でも十分生活できると思います。三良坂の冬は雪が積もりますが、広はほとんど雪が降らないので冬でも過ごしやすいです。夏も全国的に暑いとはいえ、盆地のように特別暑いというわけでもありません。

家賃や土地なども、呉市内中心部より手頃だと聞きます。同年代の友達はまだいないのですが、『ホワイトハウス』を通じて年上の方々に仲良くしていただいています。ときどき遊びに来るのと実際に暮らすのとではやはりまったく違うので移住前は少し不安でしたが、地元のみなさんが優しくてすぐに安心できました。常連さんとスーパーで会って挨拶を交わすようにもなり、まちに顔見知りが増えて心強く思います。

休日の過ごし方を教えてください。

定休日も仕込みがあるため、なかなかプライベートの休みはとれないのですが、休日は呉市中心部や広島市まで食事に出かけることが多いです。広島市へのアクセスは車と電車、高速バスから選べますし、どの交通手段でも片道1時間くらい。街なかに出やすいところも呉の魅力のひとつです。

今後の展開は?

店舗は2026年1月24日で一時閉店しますが、祖父の味をこれからも多くの方に楽しんでいただけるよう、今後はオンラインでのカレールー販売を予定しています。

日本だけでなくもっと広い世界を知りたいので、お店を営業しながら留学の準備も同時並行で進めてきました。約1年半を広で過ごす中で、このまちはとても思い入れの深い場所になりました。海外での生活を経験した後も、またここに戻ってきたいなと思っています。


松原さんのお気に入りスポット

【大和ミュージアムから見る海】
『大和ミュージアム』や『ゆめタウン』の周辺からは、軍港の歴史を持つ呉ならではの海景色を眺められます。買い物の行き帰りなど、いつでも海が見える生活に魅力を感じています。

【オレンジケイズ】
広の商店街にある、地元食材にこだわった創作料理のお店です。蒲刈直送の旬魚を使った料理や、ミートパイなどのおしゃれなお肉料理が楽しめます。

INTERVIEW
他の移住者インタビュー

活用しよう!
呉市の移住定住サポート

呉市への移住を検討される方向けの情報やサポートを紹介。お問い合わせやご相談もお気軽にどうぞ。

活用しよう!呉市の移住定住サポート
お電話での
お問い合わせ
呉市役所 都市部 住宅政策課 企画・空き家対策グループまで
閉庁日 土日祝/年末年始
開庁時間 8:30 - 17:15
メールでの
お問い合わせ
参加型FAQ
呉市役所を
訪問される場合
〒737-8501 広島県呉市中央4丁目1番6号
呉市役所 都市部 住宅政策課 企画・空き家対策グループまで
閉庁日 土日祝/年末年始
開庁時間 8:30 - 17:15