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移住者インタビュー

誰かの「困った」をみんなで解決。人と人を繋ぎ、もっと暮らしやすい安浦へ

島根県出身
理学療法士・コミュニティサロン『繋ぐ』主宰
住田 由布さん

2014年 広島市⇒安芸高田市⇒三次市⇒呉市安浦町
島根県出身
理学療法士・コミュニティサロン『繋ぐ』主宰
家族4人

interview:2025.07.30

海と山の両方を満喫でき、呉市中心部や隣町の東広島市へのアクセスも良い安浦町。結婚を機に移住した住田由布さんは、自身の子育てや理学療法士としての経験から「地域の困りごとを地域で解決したい」と考え、コミュニティサロン『繋ぐ』を運営。

マルシェや健康講座を通して、子育て世代や高齢者の心と体を元気にする活動を精力的に行っています。「安浦で楽しく暮らす手助けがしたい」と話す住田さんに、まちの魅力や地域活動についてお聞きしました。

移住の経緯は?

私は島根県の出身で、広島市や安芸高田市で暮らしたのち、三次市で就職しました。そして結婚をきっかけに、呉市安浦町へ移住。安浦に暮らし始めて、今年で11年目になります。

移住前は安浦に訪れたことはほとんどなかったのですが、学生時代に一度、安浦の『七浦海水浴場』に遊びに来たことがあって。とてもきれいな海で印象に残っていたので、こちらに越して来てから「あれは安浦の海だったんだ!」と驚き、なんだかご縁を感じましたね。

夫は呉市下蒲刈島の出身で、現在は川尻町の会社に勤めています。私は東広島市黒瀬町のリハビリ特化型デイサービスに勤務していて、安浦はそのちょうど真ん中。お互いの職場に車で15分ほどで通勤できることも移住を決めた理由の一つです。

住田さんが感じる、安浦の魅力は?

一番は、人の温かさですね。地域の方々がみんな、明るく挨拶してくださいます。広島市に住んでいた頃はそうした交流がなくて、少し寂しく感じていたんです。もともと島根県の山間地域出身で、幼い頃から田舎暮らしに馴染んでいたので、安浦に来て懐かしさを覚えました。地域に見守られている安心感があって、ここで子育てをしたいと思いました。

もう一つの魅力は、海と山の両方に囲まれているところ。穏やかな自然風景は、ずっと眺めていても飽きません。海でも山でものびのび遊べて、子どもたちにとっても最高の環境です。私は都会暮らしがあまり得意ではないので、車の交通量がさほど多くなくゆったりしている雰囲気や、混雑なく行きたい場所にすぐ行ける規模感が気に入っています。

子育てや住環境について教えてください。

子どもは2人で、上の子が小学4年生、下の子が年少です。安浦は、子どもの数が多すぎず少なすぎないところも良いですね。校庭も広々としていて、車通りが少ない道に面しているので安心して遊ばせることができます。保育所や幼稚園から同じ小学校に進学するため、保護者とはみんな顔見知りですし、悩んだときは先輩ママが支えてくださって心強いです。

安浦は、私と同じように結婚を機に移住した人も多く、「ちょうどいいまちだよね」とよく話すんです。賃貸も単身向けの物件は少ないですが、一方でファミリー向けの手頃な物件が充実しています。2LDKで家賃3万円台の物件もあると聞きますよ。JR呉線の安浦駅や生活バスも運行していますが、最終便は時間が早いです(笑)呉市や東広島市の中心部にも車で向かうのが便利ですし、マイカーは必須ですね。

コミュニティサロン『繋ぐ』を立ち上げたきっかけは?

私自身も育児に思い悩む時期がありました。産後はフルタイムで働いていて、ほかのママたちと交流する機会もほとんどなかったんです。仕事・家事・育児に追われる毎日では、地域の情報もなかなか入ってこない。閉ざされた環境で、だんだん心も追い詰められていって…。子連れで楽しめるスポットやおいしいお店など、安浦のことをもっと気軽に知る機会があればなぁと、もどかしく感じていました。

その思いがさらに強まったのは、西日本豪雨やコロナ禍のときです。特にコロナ禍では、まちに根付いていたスーパーが閉店し、まちづくりセンターの集まりもなくなり、子育て支援センターにも行けなくなりました。このままでは孤立する人が増えてしまうと危機感を覚えたんです。自分が産後うつを経験したこともあり、「こういうときこそ地域住民が繋がれる場や、人と話せる場が必要だ」と考えるようになりました。

また、広島市のママ向けコミュニティサロンに参加したとき、同じ悩みを抱える人と話すだけで心が軽くなる体験をしました。理学療法士として働く中でも、「すこやかな体づくりは、まず心を満たすことから」というのを日々実感しています。子育て仲間に支えてもらった経験と、仕事で患者さんを支える経験。その両方があったからこそ、安浦に「助けてほしい人」と「助けたい人」が繋がって、心が元気になれる場所をつくろうと決めたんです。

当時、地域おこし協力隊の方が人脈や広報面でサポートしてくださり、地域を引っ張ってくれるシニア層のリーダーたちも「やってみんさい!」と協力してくださったおかげで、2022年にコミュニティサロン『繋ぐ』を立ち上げることができました。

コミュニティサロン『繋ぐ』の活動内容は?

『繋ぐマルシェ』というイベントを、不定期ですがだいたい3カ月に1回のペースで開いています。今年8月に安浦の『シャトレーゼ ガトーキングダム せとうち』で開催したときは、親子向けワークショップや体と心のケア、野菜や雑貨の販売など20店舗が集まり、賑やかな一日となりました。

マルシェには、さまざまな分野の専門家に出店してもらっています。忙しいママや外出が難しいお年寄りの方も、ここに来るだけで健康や食、遊びなど幅広い情報を得ることができる。そして、集まった人々と交流することで、張りつめていた心がほっと緩む…。そんな場にしていきたいと思っています。

また、安浦には高齢者が気軽に運動できる場所が少ないことも課題だと感じていました。理学療法士として日常生活に必要な動作の改善をサポートする中で、脳血管障害によって思うように体が動かない患者さんや、支えるご家族の苦しみをたくさん見てきました。

「いつまでも健康で笑って過ごせるよう、病気やケガをしにくい体づくりの大切さを伝えたい」との思いから、栄養学や予防医学についても学び始めました。自分の経験と知識を活かして、運動や栄養をテーマにした健康講座を、地域の高齢者サロンや自治会、老人会などで開催しています。

生活上で不便なことはありますか?

不便に感じることはほとんどないですね。コロナ禍でスーパーが閉店したときは少し不安でしたが、今では新しいスーパーがまちの中心部にできました。ただ、子ども服の量販店や大型100円ショップは呉市や東広島市の中心市街地にしかないので、急に「これが必要!」となったときは、安浦にもこういうお店ができたらもっと便利なのにな~と思いますね。

町内の小児科は少ないけれど、隣町の川尻や黒瀬にも病院があります。選択肢があるので、子どもが病気になったときも落ち着いて対応できます。

就職・働きやすさについて教えてください。

理学療法士などの医療従事者にとって、呉市や近隣市町は病院や介護施設が多いので、就職先は充実していると思います。特に中心部には大病院が集まっているので、経験を積みたい人にはぴったりの環境です。私も回復期のリハビリをもっと学びたいという気持ちから、専門機関のある呉市中心部の病院で働いていました。研修会も多く、同業者との繋がりも築けます。

アクセスの良い呉市中心部や東広島市へ働きに出ている人も多いですね。ただ、個人的には安浦町内にももっと働ける場所があればいいなと思います。雇用の多さは、移住のしやすさにも直結しますから。昨年、大規模な宿泊施設『シャトレーゼガトーキングダムせとうち』がオープンしたことで、地元の雇用が増える未来を期待しています。

休日の過ごし方は?

休日は、地域のイベントに参加したり、「子育てサークルを始めたい」といった相談を受けたり、人と会うことが多いですね。それ以外は、家族みんなで海¥に出かけて過ごすこともよくあります。SUPや釣り、プライベート状態の誰もいないビーチでのんびりお昼寝、生き物の観察など、自然の中で、思い思いに遊ぶ時間は本当に楽しいし、リフレッシュできます。

『七浦海水浴場』ではSUPにも力を入れていて、長男はレースに参加したこともあります。子どもが夢中になれることがあるって、親としてもうれしいですよね。

今後の目標は?

人は誰しも、他者からは見えにくい困りごとを抱えているものです。だからこそ、地域に暮らす人の困りごとを、地域で解決できる仕組みづくりが必要だと思っています。そのために私ができるのは、「人と人とを繋げること」です。

コミュニティサロンの活動を通じて、地域のさまざまな情報が集まってくるようになりました。例えば療育施設選びに悩んでいる親御さんがいたら、「あの人に話を聞いてみるといいよ」といった提案もできます。そうした「繋がり」を通じて、地域のみんなで子育てや介護を支え合いながら、誰もが安心して暮らせるまちにすることが目標です。

先ほど話したように、安浦は、頑張る若者を人生の先輩方が「協力するけん、やってみんさい!」と応援してくれるまち。だから「地域のために何かやってみたい!」という人はぜひ来てほしいですね。都会と違って、小さなまちだからこそ活動が広まりやすいという良さもあります。

そして最終的な夢は、安浦でデイサービスを立ち上げること。要介護認定を受ける手前の要支援段階や、さらにその手前の段階にある方がイキイキと過ごせる居場所を、新たにつくりたいと考えています。運動・栄養・交流を軸に、心も体も元気になれる空間にしていきたいですね。

住田さんのお気に入りスポット

【シャトレーゼ ガトーキングダム せとうち】
瀬戸内海を一望できる露天風呂や、広島県下最大級のプールが私たち家族のお気に入り。 『繋ぐマルシェ』への会場提供など、地域活動にも協力的で頼もしい存在です。今日のインタビューで使用させていただいたスイートルームも、とっても素敵でした!

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