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移住者インタビュー

通販中心ながらも滋味深くおしゃれな焼き菓子が地元で人気に!

大松 美理さん

2018年 東京都 → 広島県呉市中央
広島県呉市出身
滋味菓子屋 オーナー兼パティシエ

interview:2023.09.15

パティシエとして広島市、東京で十数年修業した後、故郷の呉市にUターン移住した大松美理さん。東京在住時に店舗を持たない菓子店『滋味菓子屋』を開業し、移住後も呉市内に工房を構えて営業を続けています。通販中心ながらお店のInstagramはフォロワー1万人以上。月に一度おこなわれる工房販売の日はオープン前から行列ができるほど、地元でも人気を集めています。「呉は移住者もチャレンジしやすい街」と話す大松さん。呉の中心市街地で菓子製造業を営む利点や、移住後の生活の変化などを聞きました。

呉に移住した経緯を教えてください。

もともと呉市出身で、大学卒業後に広島市のパティスリーでバイトを始めたんです。私は昔からお菓子を食べることが大好きで、お菓子屋さんなら甘い物に囲まれて働けるだろうとの思惑で選んだバイト先だったのですが、そこでお菓子を“作ること”もすごく楽しいと感じて。製菓を極めたいと思い、2004年に上京して都内のパティスリーやレストラン、結婚式場などでパティシエとして勤務していました。

呉にUターンしたのは2020年8月ですね。一人暮らしをしている母が心配なこともあり、ゆくゆくは呉に戻りたいなと考えていました。2020年に入って新型コロナウイルスが猛威を振るい始めたことから、数年後と考えていた予定を早めて帰郷したんです。今は呉市内で一人暮らしをしながら、店舗を持たない菓子店『滋味菓子屋』を営んでいます。

『滋味菓子屋』開業の経緯を教えてください。

東京のレストランなどで十数年働く中で、「自分が作ったお菓子を直接お客さんに届けたい」という気持ちが芽生えたんです。また、大好きな甘い物中心の食生活を続けながら忙しく過ごしているうちに、仕事を休まなくてはいけないほど体調を崩してしまって…。その経験から「栄養価の高い素材を使った、からだにやさしいお菓子を作りたい。滋味深くておいしいお菓子を求めている人が自分以外にもいるのではないか」と考え、独立。都内で工房を借り、2018年に『滋味菓子屋』を開業しました。オンライン通販をメインに、『青山ファーマーズマーケット』などのイベントにも出店していました。

店舗を構えず通販中心の形態をとったのは、初期費用が最低限まで抑えられることと、呉に戻ることも視野に入れた上での選択でした。東京で『滋味菓子屋』のファンを増やしてから呉に工房を移したほうが、地方で一から始めるよりもハードルが低いと考えたんです。実際に、移転後も東京時代からのお客様がリピーターとして購入してくださっています。東京時代に開設した当店のSNSアカウントも、今では多くの方がフォローしてくださっていますね。

呉での物件探しはいかがでしたか?

地元民としては少し寂しいことですが、呉の街は空きテナントが多いため、工房用の物件はすぐ見つかりました。市役所や商店街のすぐ近く、大通り沿いに建つビルの1階を借りています。このあたりは呉の中心市街地ですが、東京に比べたら家賃は安いですね。自宅の近くで予算内に収まる好物件を見つけられて良かったなと思っています。

ただ厨房設備のない物件だったので、厨房機器の導入やシンクの増設などは自費でまかないました。行政や商工会議所の支援事業などを利用する手もあったのでしょうが、何せ急きょ帰郷したためあまり調べることができなくて。呉に戻ってから1ヶ月後には、新しい工房での営業を開始しました。

移住前と移住後、仕事や生活に変化はありますか?

東京時代は工房と自宅がすごく遠くて、通うのが大変だったんですよ。電車と徒歩で1時間くらいかかっていたので、移動時間がもったいなくて。繁忙期は終電に間に合わず工房で寝泊まりしたり、徹夜したり…。移住後は通勤時間がぐっと短縮されましたね。その分効率よく仕事に充てられるので、健康的な生活になりました。

お店の移転前と移転後で変化はありましたか?

お客様の人数としては東京時代よりも減りましたが、一人当たりの購入金額はかなり上がっています。東京のお客様は自分用に購入される方がほとんどでしたが、地元のお客様はプレゼント用に大口で買われる方が多くて。そして当店の商品を貰った方が、「おいしかったから」と買いに来てくださることもあるんです。

夏場を除き、月に一度のペースで工房での対面販売日を設けているのですが、ありがたいことに開店前から行列ができるほどたくさんのお客様にお越しいただいています。呉市内と、広島市からのご来店が多いですね。年齢層は移転後のほうが高くなっていて、40代~50代の健康を気遣う世代がメイン。高齢の方も買いにいらしてくださいます。『滋味菓子屋』のようなジャンル、スタイルの菓子店は、呉では競合が少ないことも良かったのだと思います。

『滋味菓子屋』の商品はすべてグルテンフリー、白砂糖不使用です。ビタミン、ミネラルが豊富な雑穀や玄米粉、そば粉を使ったサブレで北海道産バターと旬の国産野菜・果物などで作るクリームを挟んだバターサンドをはじめ、ケーキやクッキーなど、栄養価の高さとお菓子としてのおいしさを両立させた焼き菓子を一つずつ丁寧に手作りしています。また「味噌×珈琲」など食材の独創的な組み合わせ、かわいいより“キレイ”を意識したビジュアルにもこだわっています。

地元のお客様からは「こういうお菓子を探していたの!」「素敵なお店が呉にできてうれしい」といった声をいただきます。小麦アレルギーやグルテンの摂取を控えている方がリピーターになってくださることも。『滋味菓子屋』のお菓子を求めてくださる地域の方々のお話を聞いていると、より一層、からだにやさしいお菓子を作っていきたいと思いますね。

呉暮らしの良い点、困った点を教えてください。

都会生活を終えて戻ってみると、呉は海と山に囲まれているところが良いなあと感じます。コロナ禍では呉の自然の多さにメンタルを助けられ、人間には自然が必要だと痛感しました。

呉の中心市街地は生活するのに困ることは何もないんですよね。生活必需品を買う店も、設備が整った大病院も揃っている。私は車を持っていないので基本は自転車移動なのですが、店を手伝ってくれている姉が車を出してくれることもあり、特に不便とは感じていません。広島市まで高速バスを使って1時間弱で行けるのも魅力です。

お店で使用する材料に関しては、地元で有機野菜や食材を取り扱っている店を探して、そこから仕入れています。その他の材料や器具などもネット通販で取り寄せることができるので、「ものが手に入らない」という心配はないですね。

呉で開業したい移住希望者へのアドバイスはありますか?

呉の中心市街地は商店街もあって、ある程度のお客様が見込めるエリアだと思います。呉市民は新しいものが好きな人や「人のために何かしてあげたい」という人が多いんですよね。新しい人や店を受け入れて、さらに周りに広めてくれる。そして、呉は都会に比べて低家賃で借りられる空きテナントがたくさんあるので、希望の物件を見つけやすい。移住者がやりたいことにチャレンジしやすい土地柄だと感じています。

お店の宣伝や集客に関しても今の時代はSNSがありますし、うちの場合は広島県内のイベントから出店のお声がけをいただくことも多く、それが店を知ってもらうきっかけにもなっています。呉にも店主の感性が反映された面白いお店が増えてくれたら地元がもっと楽しくなるだろうなと思います。

今後の目標を教えてください。

今後は自分の体力的に無理のない形をとりながら、『滋味菓子屋』を長く続けていきたいですね。呉に工房を移転してからは高齢のお客様も増え、ネットが使えないという声もお聞きしているので、対面販売の機会を増やしたいです。通販だけでは、私自身もお客様と直接交流できなくて寂しいので…。大変ではありますが、週1回のペースで工房での対面販売ができたらと考えています。

【大松さんの おすすめスポット】
呉港周辺は気持ちが良いですね。船の汽笛が聞こえる朝に訪れるのもオススメです。休日はフェリーに乗って、おいしいものがたくさんある江田島に遊びに行くことも。

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