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移住者インタビュー

一心発起!子育てしながらドライフラワー専門店開業

西川 奈央子さん

2006年 愛媛県 → 広島県呉市
愛媛県出身
ドライフラワー専門店『botanico』
姉妹店『waremokou』経営
家族4人 夫・こども2人(中学1年生と小学3年生)

interview:2023.01.11

「海軍のまち」としても知られる呉市。現在も海上自衛隊呉基地があり、市外出身者も多いまちです。呉市の中心部は利便性が良く、30分ほど車を走らせれば海や山にも出かけられるところが魅力。結婚を機に愛媛県から移住してきた西川奈央子さんは、2人の子どもを育てながら、市の創業支援制度を活用してドライフラワー専門店『botanico』を開業。移住者を迎え入れる風土や新規創業者に対するサポートが手厚い呉で、新しい仲間にも恵まれたといいます。

呉市に移住した当初の心境はいかがでしたか?

東京在住時に夫と出会い、結婚を機に夫の地元である呉市に移住することになったんです。私は愛媛県四国中央市の出身なのですが、「結婚したらもう自分の地元に住むことはないんだ…」と急に寂しくなってしまって。

呉に越して来た2006年当時は、地元まで物理的な距離ができたことでさらに孤独な気持ちに…。呉に移り住んだ直後は毎日泣いて暮らしていましたね。長い移動距離をものともせず、月に1回以上のペースで愛媛の実家に帰省していました(笑)。

でも移住して1ヵ月が経った頃、「このままじゃダメだ!」と思い直したんです。呉でしっかり生きていくために何か始めなきゃと考えたときに、結婚式で作ってもらったブーケがとても素敵だったことを思い出して。自分もブライダルの装花の仕事がしたいと思い、花の勉強を始めました。このとき、10年後には自分の店を持つという目標を立てました。

移住後はどんな仕事をしていましたか?

2006年、広島市内のホテルのブライダル部門に就職しました。広い披露宴会場が複数あり、1日に何組もの結婚式が行われるそのホテルで目の当たりにしたのは、大量のロスフラワー。「まだまだ美しく咲いている花や、生き生きとした植物を廃棄してしまうのはもったいない。何かに活かせないだろうか?」と思ったんです。

でも、ブライダルの現場は激務だったので、当時は日々の仕事をこなすだけで精一杯。そのうち1人目の子どもを授かり、妊娠を機にホテルの仕事をやめ、フラワーアレンジメントの資格取得に専念しました。

そして長男を出産。育児をしながら多忙かつ体力仕事の現場に復帰するのは現実的ではない…。そう思い、自宅でブライダルの仕事をすることに決めました。元勤務先のホテルと提携していたブーケ加工会社にお願いして、特殊技術である立体加工や押し花加工など、ドライフラワーに関する技術を習得させてもらいました。
そして同社から仕事を請け負う個人事業主として、新しい働き方を始めたんです。このブーケ加工会社には7年ほどお世話になり、自宅でブーケ制作の仕事をするだけでなく、人材育成の講師も務めていました。

「これなら独立できそうだ」というレベルの技術と経験を身につけて、2017年、ドライフラワー専門店『botanico』を呉の中心市街地にオープンしました。季節の植物をドライにして、スワッグやリース、アクセサリーなど多彩な商品にして販売しています。生花とは違う、シックな色合いと質感が楽しめますよ。

創業にあたって、どんな支援を受けましたか?

移住当初は寂しくて泣き暮らしていたものの、夫の友達グループの奥さんたちがみんな同世代だったので、女性陣だけで集まるほど仲良くなったんです。創業支援に関する制度もその中の1人から教えてもらい、市が実施していた創業支援制度について一緒に説明を聞きに行きました。

話を聞いたことをきっかけに「早く自分の店を開きたい!」という情熱が膨らみ、不動産会社に連絡して物件を探しました。開業してからも、呉商工会議所から様々な支援制度について教えてもらったり、金融機関のサポートを受けたりしました。

『botanico』の開業後は、市主催のリノベーションスクールにも参加。2021年、このスクールで出会ったメンバーとともに、生花やファブリックプリント、古本、レコードを扱う2号店『waremokou』を市役所通りにオープンしました。
呉市には創業するための支援制度やサポート体制が充実していて、初心者でも事業を始めやすいまちだと思います。

また、市が開催した経営の基礎を学べる販路拡大セミナーに参加することで、経営者仲間が増えたのも心強かったですね。1年間ともに学んだ仲間とは今でも定期的に集まりますし、仕事の悩みをよく相談しています。私は一匹狼タイプで、1人で物事を突き詰めていく性格。でもセミナー参加や支援制度を利用したことで、このまちには応援してくれる人や協力してくれる人がたくさんいると気付きました。

西日本豪雨やコロナ禍、子育てとの両立など開業後はさまざまな問題にぶつかり、お店を続けていくのは簡単ではないと実感しています。思い通りにいかないこともたくさんありますが、悩みや苦労を分かり合える経営者仲間がいるおかげで挫けずに歩むことができています。

呉市での子育てはどうですか?

子どもは現在、中学1年生と小学3年生(2023年4月時点)。呉市で出産・育児を経験して思うのは、子育てしやすいまちだということ。市内には保育施設や放課後児童会が多数あるため待機児童が無く、高校も市内に複数あるので進学の選択肢も豊富。子どもが病気になったときも、総合病院をはじめ医療体制が整っているので困ることはありませんでした。

ママをサポートする制度も増えていますね。一時保育サービスはちょっと料金が高いと感じたけれど、1人の時間が確保できるのでリフレッシュはもちろん、在宅ワークにも集中できるのが良かったです。移住者は頼れる親族が近くにいない分、行政のいろんな子育てサービスを活用することをおすすめします。

それと、私自身、学生時代の友達と今でもすごく仲が良くて、愛媛に帰省するたびに地元の仲間と集合するんです。何十年も関係が続いている友達って、かけがえのない存在ですよね。
子どもたちにとっては、ここ呉市が地元。ここで仲良くなった友達を大事にしてほしいし、大人になってからも集まれるような関係を築いていってほしいなと思います。

暮らしてみて感じる、呉市の印象は?

こちらに来て驚いたことなんですが、呉市は「海上自衛隊のまち」なので、全国から隊員の方が赴任していますよね。だから自衛隊の方との結婚や転勤を機に、県外から呉市にやって来た女性もすごく多いんです。呉で17年間暮らす中で、自分と同じ境遇の人たちと出会うことができました。

移住当初は知らない土地で新しい友達なんてできるはずがないと思っていたので、これは嬉しい誤算でしたね。うちの店のワークショップに参加して、友達ができたというお客さんもいらっしゃいますよ。

地元の方からは、「よく呉でお店を開いたね」と言われることも結構あるんです。地元にマイナスのイメージを抱いている人が多いなって…。でも私から見れば、呉市はよそから来た人を快く迎え入れる雰囲気があって、インフラも整っていて、創業や子育ての支援制度も充実していて、働きやすく暮らしやすいまちですよ!

今後の展望を教えてください。

新型コロナの影響でお店を開けられなかった期間、オンラインでの販売を強化するため、1年かけてネットショップを作り込んでいったんです。実店舗とは売れる商品も効果的な販売方法もまったく違うので、一から勉強しました。

また、私生活の変化や、自分が目指すテイストとは異なる注文が増えすぎたことで、私自身キャパオーバーになっていて。仕事のやり方や方向性を見直し、オンラインショップを中心とした営業スタイルにシフトしました。

コロナ禍の期間中に培った土台を活かして、今後は広島県外の人にも届くようにお店を運営していこうと考えています。呉から全国に『botanico』のドライフラワー商品や、ロスフラワーを減らす取り組みを発信したいですね。

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