冬に痛風になってしまい、足を引きずって取材をしていた呉市民ライターの柳谷です。
呉市には新しいことに挑戦するプロジェクトがたくさんあります。今回は、健康にまつわるお話。呉で「酒粕」を活用した新たなコレステロールゼロのスイーツづくりに挑戦している菅波姉妹のご紹介です。また、日本酒が好きな方にも面白い話かと。
冬に痛風になってしまい、足を引きずって取材をしていた呉市民ライターの柳谷です。
呉市には新しいことに挑戦するプロジェクトがたくさんあります。今回は、健康にまつわるお話。呉で「酒粕」を活用した新たなコレステロールゼロのスイーツづくりに挑戦している菅波姉妹のご紹介です。また、日本酒が好きな方にも面白い話かと。
広島県呉市とハワイを拠点に活動するRainbow Sakeの菅波姉妹は、日本酒の新たな可能性を追求し続けています。特に妹の菅波葉子さんは、実は、ホットペッパー創刊直後、渋谷・銀座の女性最年少編集長だった方。今は、日本酒をアメリカ西部に広めるための活動を行い、国際的な交流と普及活動に力を入れています。その背景には、日本酒の魅力を世界に広めたいという強い情熱とビジョンがあります。
日本酒は、並行複発酵という独自の製造方法を用いています。この製法により、発酵と醸造が同時に進行し、複雑で奥深い味わいが生まれます。しかし、酒造りには様々な課題があり、そのひとつが「酒粕」の活用です。日本酒の副産物として多くの酒蔵から生まれる酒粕ですが、その利用方法が限られており、大量に処分されることが増えています。この現状を改善し、酒粕を有効活用する方法を模索することが、菅波姉妹の新たな挑戦となりました。
酒粕を愛してやまない姉の三宅慶子さんは、Rainbow Sakeの活動を通じて、酒粕の有効活用を推進したいと強く考えるようになりました。そこで、酒粕を無駄にすることなく、食品として新しい形で利用できる方法を模索し、プロジェクトがスタートしました。ターニングポイントとなったのは、広島県立総合技術研究所食品工業技術センターの「酒粕をペースト状に加工する技術」との出会いでした。
酒粕ペーストは、元々食べにくいとされる酒粕を、より扱いやすい形にしたものです。酒粕をそのまま使用すると、溶かした際に水っぽくなってしまうことが多く、調理や加工には限界がありました。しかし、センターが持つ研究技術を活用することで、酒粕を活用した商品開発の可能性が広がり始めました。
医者から乳製品の摂取を控えるよう指示されたことをきっかけに、発酵ヴィーガントリュフが誕生しました。酒粕を主原料にしたこのトリュフは、乳製品を使わずに「生チョコレートのような」クリームの舌触りを酒粕で代替しています。広島県産の酒米を原料とする純米大吟醸の酒粕を用い、発酵食品ソムリエが開発を手掛けました。
自然由来の素材のみで構成され、コレステロールゼロとのこと!そして、食物繊維や葉酸が豊富に含まれ、アミノ酸スコア100の良質な植物性たんぱく質を含むすぐれもの。(痛風の体質改善にもいいのでは!?)
こうして、酒粕の魅力が引き出されたこのトリュフは、簡単に食べられる形に加工され、日本国内で減少しつつある酒粕の需要拡大につながる可能性があると注目されています。濃厚でリッチな味わいを持ちながら、持続可能な生産方法で作られたカカオマスを使用し、ヴィーガンにも配慮した一品に仕上がっています。
呉市には、「千福」三宅本店や「雨後の月」相原酒造など、多くの伝統的な酒蔵があります。これらの酒蔵から酒粕を購入し、酒粕カカオトリュフの製造を行い、その活動は着実に広がりを見せています。酒粕を活かした商品を販売し活用量を伸ばす取り組みが、地域社会における持続可能な経済循環を生み出し、地域資源の価値を再認識させるきっかけとなることでしょう。
この革新的なカカオトリュフは、2025年からPOPUPイベントなどで登場する予定です。地元酒蔵の酒粕を活用した商品は、地域社会にとっても重要な意味を持つものです。また、Rainbow Sakeの活動は、単なる商品開発にとどまらず、SDGsに貢献する活動として注目されています。これからも地域資源を最大限に活用し、持続可能な未来に向けた取り組みが進んでいくことでしょう。
具体的には、行政の支援を受けた食品加工技術を駆使した「酒粕栄養バー」商品の開発プロジェクトも進められており、今後ますます楽しみです。
菅波姉妹の挑戦は、単なるビジネスにとどまらず、地域社会や環境への配慮を考えた持続可能な活動として、今後ますます注目を集めることになるでしょう。
今2025年1月末まで、菅波さんの挑戦を応援できるクラウドファンディングが立ち上がっています。
呉から新たに事業が生まれることや、糖分バランスを覆すスイーツづくりの将来性などで応援してみたい方にピッタリなのでチェックしてみてください!
マクアケ