こんにちは。国立呉工業高等専門学校に通う環境都市工学科の秋山日南子です。呉に来て3年目になりました。呉での学生生活は、どこか本の中で読んだことがあるような小説的感覚に出会うことがあります。
今回は、7/20(土)に阿賀南で行われた、漕船祭(通称”とんてことん”)に行ってきた様子を紹介します!
まずは簡単に、漕船祭について紹介したいと思います。漕船祭では、厳島神社の管絃祭(今年は7/22(月))に関連した行事として開催されるもので、延崎(のぶさき)住吉神社(阿賀南5丁目)にて、主役となる采振り役(さいふりやく)の子供4人のお祓いが行われた後、船に乗り込むという神事が行われます。
私がこのお祭りを知ったのは、漕船祭と一緒に、私の通っている呉高専の創立60周年記念を兼ねた花火の打ち上げが行われると聞いたからです。
私は友人と一緒に歩いて海の近くまで行きました。一際明るいところが見えてくると、親子と祖父母、家族3世代で来ている人、ペットを連れて来ている人、そしてたくさんの子供たちが走り回る賑やかな空間がそこにありました。
海上で一際目を引く漕船
海上に浮かぶ、この2隻の船に延崎住吉神社でお祓いを終えた、采振り役の4人の子供たちが乗り込みます。地域の人の「頑張れ!」や「いってらっしゃい!」という応援の声を聞きながら、一際目を引く漕船へと歩いていっていました。
その船の進む先に
船に乗り込んだ采振り役の子供たちは船の舳先で采を振り、そのリズムに合わせて大人たちが船を漕ぎます。
船が動き始めたのに合わせて、船から更に進んだ先で花火の打ち上げが始まりました!
花火のバーン!という音と子供たちの采振りに合わせて叩かれる太鼓の音が響き渡ります。
船を漕ぐのは大人たちで、子供たちは漕船祭の主役として輝きます。
赤提灯と花火
この日(7/20(土))は、第75回呉の夏まつり「海上花火大会」も行われており、山を1つ隔てて2つのお祭りが開催されていました。
赤提灯の光が海沿いに連なって輝き、その灯りの下では、久しぶりに会った人と自身の近況について話したり、友達とわいわいはしゃぎ回ったりする人たち。
呉市中心部のお祭りほどの規模は無いものの、その分、普段生活している時間と”お祭り”という非日常的な時間との境目がはっきりしておらず、より普段の生活や地域に密着したお祭りなのだと感じます。
月の光と花火の下で
この地域(阿賀)の魅力を感じつつも、これまで地域の行事やイベントに参加する機会がありませんでした。「新たに来て暮らし始めた地域のことを知るには時間がかかるんだな。」それは呉に来て3年目にしてふと思ったことでした。
そんなことを考えていた中、開催されたのが漕船祭でした。直接地域の人たちと話をしたわけでは無いけれど、地域の人たちが大勢集まった空間の中で時間を過ごし、人々の温かさに触れ、穏やかな気持ちになりました。
今回の漕船祭を通じて、お祭りだけでなく、日用品の買い足しに買い物へ行き、食事をし、街歩きをする。そんな些細なことも”地域のことを知る”、小さなイベントなのだ!という考え方もあるのでは?と思うようになりました。
そう思えば、3年目の呉暮らしは更に楽しく過ごせそうです。