こんにちは。市民ライターの北裕実です。
私は、ライターをしながらイラストも描いていて、アートに触れることが大好きです。美術館を訪れたり、街の中でアートを見つけたりするのは、癒しのひととき。
そんな私のお気に入りの場所が「日本の道100選」にも選ばれている「美術館通り」。並木道に彫刻が並び、歩くだけでアートを身近に感じられる道です。今回は、この美術館通りを歩きながら、呉市立美術館と、その別館にある素敵なカフェを訪れました。
美術館通りを歩く 〜日本の道100選に選ばれた並木道〜
呉駅から徒歩15分ほどの場所にある、呉市立美術館。その美術館へと続くゆるやかな坂道が「美術館通り」です。美しい並木道を歩くと、まるでヨーロッパの街を散策しているような気分に。学校帰りの学生や散歩を楽しむ人、美術館へ向かう家族連れなどが行き交い、ゆったりとした時間が流れています。
ちなみに、「日本の道100選」に選ばれているのは、広島県内では広島市の平和大通りと、この美術館通りの2カ所だけ。ちょっと誇らしい気持ちになります。
「日本の道100選」を示すプレート
美術館通りを歩く学生さんたち
見上げる高さの彫刻作品
子どもたちが駆け出すユニークな作品
街路樹の間には、さまざまな彫刻作品が並んでいます。よく見ると、著名な作家の作品ばかり。全部で18作品あるそうです。無料でこんなアート作品を見られるなんて、よく考えたらすごいこと。身近にアートを感じられる素晴らしさを実感します。

まち歩きが楽しくなる、デザインマンホール
足元に目を向けると、「大和」や「艦船」をモチーフにしたデザインマンホールに気がつきます。呉市は、軍港として栄えた歴史を持つまち。そのストーリーが、こんなところにも息づいているんですね。
全国には、デザインマンホールを訪ね歩く愛好家もいるとか。こうしたこだわりを知ると、呉のまち歩きがさらに楽しくなります。

緑あふれる敷地に立つ、レンガ色の美術館
美術館の周りは、公園として整備された緑豊かな空間。その中を抜けて美術館に向かうと、玄関では立派な木製の手すりが印象的な階段が迎えてくれます。飴色に光る手すりには、長い年月を感じさせる味わいがあります。
年に数回の企画展が開催され、呉市にゆかりのあるアーティストの作品が展示されることも。最近では、呉市出身の芸術ユニット・明和電機の企画展がありました。時期によって展示が変わるので、訪れるたびに新たな作品と出会えるのも魅力です。

また、子ども向けのワークショップやアートイベントも開催され、家族連れにも親しまれています。息子が保育園の頃には、園で描いた作品が展示されたこともありました。そんな経験を通して、美術館が身近な場所になっていったのかもしれません。
休日にふらっと訪れて、お気に入りの作品を眺める。気軽にアートを楽しめる場所がある暮らしは、毎日に彩りを添えてくれるような気がします。
別館のカフェでくつろぐ 〜アートの余韻に浸れる場所〜
美術館を訪れたあとは、美術館通りの向こう側にある別館のカフェでひと休み。
オーガニックな素材を使った、体に優しいランチやスイーツを味わえるお店です。静かで落ち着いた空間でアートの余韻を楽しみつつ、ゆっくり過ごせるのは最高の癒し。
また、呉にちなんだ雑貨やグッズが並んでいることも、このカフェの魅力。地元の作家が作ったアクセサリーや、呉の歴史を感じるアイテムなど、ここでしか出会えないものばかりです。私は、ここで呉の秋祭りには欠かせない「ヤブ」の存在を知りました。何気なく訪れた場所で、新しい発見があるのも楽しいものです。
この階段を上がると別館に
店内で見かけた「ヤブ」グッズ
デザートメニューも充実
野菜が添えられたカレー

ランチプレートを手描きイラストに
呉市立美術館の別館にあるカフェ「cafe the bricks」の平日のランチは、ワンプレートスタイル。手作りの野菜のおかずやパン、スープもついていて食べごたえがあります。味はもちろんカラフルな盛り付けもかわいくて、目にもおいしいランチプレートです。あまりに素敵だったので、思わずスケッチしてみました。

身近にアートを感じる暮らし
美術館通りは、歩いて、アートに触れて、カフェでくつろいで。そんな時間を気軽に楽しめる、心地よい場所です。気づけば、彫刻がある風景が当たり前になり、企画展の開催がちょっとした楽しみになっているかもしれません。
ぜひ、美術館通りを歩いてみてくださいね。