市民ライターの齋藤愛です。呉に移住し、4人の子育てをしながら、自宅の一部を利用して“結わふ”という事業をしています。
生活しているだけでなく、事業を始めたおかげで、日々、呉市の方々や出来事と素晴らしいご縁を頂くことも多々あります。そんなご縁でつながった方々の中にも、呉市に移住してこられた方がたくさんいらっしゃいます。
KURETOというサイトの市民ライターとして、私が出会った素敵な移住者の方々をご紹介することが、結わふを運営する私らしさだと感じたので、ご紹介させていただきます!
岩屋工房 陶芸家 岩本京子さん
私が運営している「結わふ」で、父の日のお皿の絵付けワークショップや、イベントでの陶芸教室、作品展示など、さまざまな企画で何度もご一緒させていただいている「岩屋工房」さん。岩屋工房は、呉市の川尻町に工房を構える陶芸家ご夫婦のお二人です。
特に奥さんの京子さんとは、結わふでのご縁から、プライベートでも仲良くさせて頂いており、日々、呉市や川尻町について色々なお話を聞かせて頂いたり、呉でご活躍されている方々をご紹介いただいたりと素敵なお付き合いをさせて頂ています。
毎年恒例。父の日絵付けWS
子ども達が絵付けし、完成したお皿達
マルシェでの陶芸体験の様子
岩屋工房さんの素敵な作品
お二人は、滋賀県信楽町で陶芸を通して出逢い、結婚をきっかけに旦那さんの祖父母の家があった(旧豊田郡)川尻町へ移住し、岩屋工房を開設されました。
当初は、作品を作り、信楽町まで届けて注文を受けるという方法で販売していたそうです。しかし、妊娠、出産をきっかけに遠方への移動が大変になり、近隣での販路を広げようと考え始めたころ、インターネットが普及し始め、ホームページを作成。これにより、県内外への販路が広がり、郵送などでの販売が増えていきました。
その頃、豊田郡川尻町が呉市と合併し、野呂山に新たな施設が建設され、呉市から依頼を受けたことをきっかけに、陶芸教室を始められました。そこから、工房ではもちろん、高齢者施設での陶芸教室や様々な施設でのリハビリを兼ねた教室を開催するようになりました。
今では、陶芸教室のほかにも、修学旅行生や野外活動の絵付け体験、幼稚園や保育園での造形教室など、さまざまな世代に陶芸や造形の楽しさを伝えています。
また、岩屋工房さんの陶器は、コンセプトやデザインにほんの少し遊び心が隠れており、心が愉しくなるような作品が多いです。それにお二人の優しさがにじみ出ているように温かさを感じ、普段の生活に自然になじむものばかりです。
安芸津町大芝島にあるレストラン「余白」では、岩屋工房さんの陶器を使った料理が楽しめ、購入も可能です。私も大好きな木綿豆腐シリーズは大好きなお皿です。
広島のスタイリッシュな雑貨店「BACIC and ACCENT」さんでは、同じ模様が二つとない個性的なマーブル模様のマグカップなどが販売されていたり、毎年作られる干支の箸置きシリーズは、新聞社の取材を受けるほど、知る人ぞ知る人気の陶芸家さんです。
呉まち芸術祭での作品
余白さんでの一皿
木綿豆腐シリーズのお皿
今後の展望
移住してから28年目の今も、義祖父母から受け継いだご自宅の離れを工房として活動されています。築100年を超えて老朽化してきているため、ギャラリー兼工房として再生し、川尻町にもっと人が訪れるような工房にしていきたいと夢を抱かれています。
最近では、県外での活動にも精力的に挑戦されていて、そのお話に私自身も刺激や、活力をいただいています。

京子さんに聞く呉の魅力
私生活では、大阪育ちの京子さんにとって、目の前に広がる海と、すぐ後ろに広がる野呂山の自然の中で、子どもたちをのびのびと育てられたことはとてもかけがえのない経験だったと話されています。
また、呉市で育った息子さんは船の航海士として海で働くお仕事に就かれ、それ以来、京子さんも、海上に船が見えると、遠く離れた息子さんを見るようでとても嬉しい気持ちになり、海を眺める時間が増えたそうです。
そんな景色が間近で見えるのも呉の魅力の一つですね!
他にも、呉市の食べ物が美味しいことや、日本酒の酒蔵が多いことについても教えていただきました。それぞれの酒蔵を飲み比べる楽しみや、他の人にオススメできる点も魅力のひとつです。私も結わふの企画に、京子さんがオススメしてくれた呉の日本酒を取り入れ、参加者の皆さんに喜んでいただきました。
呉について、外部からの視点を持つ方々と地元の方々との視点の違いも面白く、呉の魅力や情報をたくさん教えていただいており、日々楽しくお話ししています。
また、素敵な方をご紹介して、誰かの新しいご縁になることを願っています。