秋まつりは「やぶ」が大暴れ
鬼のような面をかぶり、頭にはてぬぐい。派手な柄の揃いの着物に注連縄を背負って、手には竹の棒。呉の秋まつりでは、そんな恐ろしいいでたちの「やぶ」が出現します。
まつりの見どころは新米を神様に供える「俵神輿」の奉納です。勢いよく境内になだれこもうとする神輿の担ぎ手たち。そうはさせまいと竹の棒で米俵を突いて押し返す「やぶ」たち。米俵が無事奉納されるまで「やぶ」の大暴れは続きます。
「やぶ」の姿形はさまざま。神社の数だけ(神社内に摂社があればさらにその数のぶんまで!)オリジナル「やぶ」が存在します。
まつりはその前日の「よごろ(宵祭り・前夜祭)」から始まります。「やぶ」とコンビニでばったりなんてこともあるかもしれません。
「やぶ」は1匹、2匹と数えるそうですよ。なんだか不思議です。
「やぶ」の役割とは
竹の棒を振り回しながら子どもたちを追いかけたり、よその「やぶ」と小競り合いをしたりとならず者のような振る舞いをしていますが、実は、「やぶ」は神様の使い。「神様が神幸されるときの神輿の案内」という大切な役割を果たしています。「俵神輿」の奉納での大暴れは、神様に奉納されるものの良し悪しを見極めているのだとか。
神様の使いである「やぶ」に赤子を抱いてもらうと元気に育つといわれています。